先日のブログで、このカセットデッキの動作について紹介しましたが、本体についても少し詳しく書いておこうと思います。
TEAC W-860R
ダブルカセットデッキで、どちらもオートリバース動作します。
1998年発売だそうで、2006年まで製造されていたようです。
この機種ではありませんが、TEACからは2021年6月現在もカセットデッキが製造されており、本体の形や画面・ボタンなどの構成はこのカセットデッキと似ている部分が多いです。
近所のリサイクルショップで5000円で購入しました。
使用時間はあまり多くなかったようですが、かと言って全く使われていなかったわけでもないようだったようで、ヘッドや走行系の状態はかなり良かったです。ダブルデッキですと、それぞれのデッキで回転数(ピッチ)がばらついてしまうことが危惧されますが、幸いそういったこともなかったです。どちらのデッキでも回転数が同じということは、ベルトの伸びやモーターの劣化などによる回転数の狂いが起こっていないと捉えて良いのではないでしょうか。
メカニズム部
ヘッドは2ヘッドとなっており、一般的なメカですね。ラジカセやコンポなどで見た覚えがある感じがします。動作音も結構ガチャガチャ鳴る感じで、この点も一般的なオートリバースデッキって感じですね。
気づいた点は、ヘッドが上がるとイジェクトボタンが物理的に押せないようになる仕組みになっている点ですかね。
ワウフラッターは0.09%±1%となっており、高級デッキには及びませんが「多少」良いのではないでしょうか。
ノーマル・クローム・メタル、全てのテープポジションに対応しております。録音も、全てのポジションで対応しています。
どちらも録・再可能なダブルデッキ
ダブルカセットデッキとは、一方は録音・再生でもう一方は再生専用という構成ばかりと思っていましたが、このデッキはどちらのデッキも録音・再生できます。
デッキ1・デッキ2とで、操作ボタンも同じ並びになっています。
リモコン
本来はワイヤレスリモコンが付属されていますが、私がリサイクルショップで購入した時は本体のみでした。やっぱりリモコンは欲しくて、ハードオフのリモコンジャンクをひっかき回そうとも思ったんですが、リモコン型番が説明書に記載されていたので、手っ取り早くヤフオクで購入しました。ちなみに説明書も付属されていなかったので、メーカーのサイトからPDFデータを参照しました。
ほとんどの操作をリモートで行うことができます。
ドルビーC対応&ドルビーHX PRO搭載
ドルビーノイズリダクションはドルビーBとドルビーCに対応しています。ですが、テープのキャリブレーションは出来ないので、特にドルビーCの再現度はかなり厳しいかもしれないです。
ドルビーHX PROは、高音域の録音特性を改善するものですがON/OFFできないので、効果がどのくらいなのかは不明です。
豊富な機能
ダブルデッキで、どちらも録音・再生でき、どちらもオートリバースであるという特徴を生かした機能が搭載されています。
シンクロリバース録音
デッキ1からデッキ2へダビングする際に、A面・B面を揃えて録音することができます。
パラレル録音
デッキ1とデッキ2で同時に録音することができます。一度に2本のテープに録音できます。
倍速ダビング
デッキ1からデッキ2へ倍速でダビングできます。音質は劣化しそうですが。
飛び越しサーチ
TEACでは「CPS」と呼ばれるそうです。20曲までの飛び越しサーチができます。リバースモードを往復再生にしておくと、A面からB面にまたがってサーチすることもできます。 曲の頭を検出するために、4秒以上の無音部分が必要になります。
イントロチェック
曲の頭を10秒ずつ再生していきます。この機能も、曲の頭を検出するために、4秒以上の無音部分が必要になります。
ピッチコントロール
±12%でテープの回転速度を変えられます。回転速度を変えると音程も変化するので、例えば回転数がズレたデッキで録音されたカセットを正しい音程で再生する際に便利です。ただしデッキ1のみです。
高性能なカセットデッキに比べれば、このカセットデッキの性能は取るに足らないものかと思いますが、私が所有する唯一の状態が良いカセットデッキであり、今のところは、私にとって貴重なものではあります。