AIWA HS-PX610の修理:その1

リサイクルショップのジャンクコーナーから、AIWAのカセットプレーヤー「HS-PX610」を見つけてきました。

「通電はするが動作しない」という症状でした。

 

外観

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アルミボディーのカセットプレーヤーで、なかなか薄く出来ています。

正面に「REMOTE」の表記がある通り、リモコンに対応していますが、付属されていませんでしたので、確認はできません。

ガチャメカのカセットプレーヤーと同じように、本体上面に操作ボタンが配置されています。

そしてドルビーBに対応しており、更にデッキ内部の検出スイッチを見る限りでは、ハイポジション/メタルポジションテープにも対応していそうです。実は、これらが搭載されているようだったので購入した、というのが一番の理由です。

 

早速、電池とカセットを入れてボタンを押してみると、かすかにモーター駆動音がして「OPE/BATT」ランプが光りますが、しばらくすると止まってしまいます。

カセットも走行していません。

 

おそらくベルト切れではないかと思われるような症状です。

 

分解

裏蓋を開く

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早速内部を見てみます。

 

薄く作られているためか、ネジの種類が結構多いです。

直径が異なる物、長さが異なる物など様々なので、どこに取り付けられていたのか確実に記録しておく必要がありそうです。

 

ネジを外してバッテリーカバーを引き抜き、裏蓋を引き上げれば開くことができます。

 

側面部を外す

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ボディーの外周をプラスチックのフレームが覆っていますので、これも外します。

裏蓋と同様に、様々なサイズのネジが使われています。

 

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カセットホルダーのヒンジ部は、基盤を外す際に干渉しない様に回して避けておきます。

ここまででは、まだ基板がメカ部を覆っています。

 

ソレノイドが断線してしまう

そのまま引っ張っただけでは基板は外せません。

実は、モーターやソレノイド、操作部とハンダ付けされており、これを外さないと基板を外すことができません。

 

分解した時、モーターと操作部のハンダはすぐにわかったのですが、ソレノイドもハンダ付けされている事に気づきませんでした。

そのまま基板を引き上げてしまったために、ソレノイドの銅線が断線してしまいました。

 

正直諦めようかとも思いましたが、ダメ元で銅線同士をハンダ付けしてみると、案外うまくいきました。

テスターで測ってみますとちゃんと導通している様なので、動いてくれそうです。

 

基板を開く

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ハンダ付けが外せましたので、基板を外してみます。

 

ヘッドホンジャック部はハンダを取らなかったので、ジャックごと外します。少しきつめにはまっていますので、精密ドライバーを隙間に差し込んで上に上げます。

また、ヘッド部のハンダも取りませんでしたが、写真の様に開くと、そのままでもメンテナンスできそうです。

 

基板は、薄型ボディーを実現するためか、両面基板にも関わらずかなり薄くできています。乱暴に扱うと簡単に割れたり曲がったりしてしまいそうです。

 

ここまで分解し、やっとメカ部が見えました。

 

ベルトがドロドロに…

上の写真ではすでに拭き取った後ですが、ベルトが溶けてドロドロになってしまっていました。

溶けたベルトは手や周辺に付くとなかなか拭き取れないので困り物です。

 

その上、メカ部のプーリーにも溶けたベルトが絡みついており、これまた拭き取りづらくて困ります。

このような時は、無水エタノールを含ませた布などで拭き取れば、比較的簡単に取り除くことができます。

 

交換用のベルトが無い…

本体が薄いため、メカ部のプーリーも小さくできており、それにより掛けられていたベルトも細めの物が使われていた様です。

 

しかし、私が持っているベルトは0.95mm厚の角ベルトでしたが、掛けた段階で部品と干渉してしまうため、使うことができませんでした。

ですが、直径80mmのベルトが合いそうだということはわかりました。

 

細めのベルトを探してみることにします。

 

つづく