ダブルラジカセ SONY CFS-W302の修理:その1

友人から、少々調子の悪いソニーのダブルラジカセ「CFS-W302」を譲ってもらいました。

 

ラジカセの紹介

譲ってもらった当初の写真を撮り忘れておりまして、この写真はある程度手入れした後の写真になります。余計なものがいろいろと映っておりましてすいません。

ダブルカセットは、録再デッキ(A)と再生専用デッキ(B)となっており、留守録や再生に使えるタイマーも付いています。

ラジオはVHF/UHF音声も受信可能でした。アナログ放送が終了した現在では利用価値が無くなってしまいましたが。

あとはホコリや汚れが結構ついていました。

 

譲ってもらった直後の状態

とりあえず音は出ました。

ラジオを受信してみたのですが、初めはひどく音量が小さく、音量つまみを半分以上上げないと十分な音量が出ない状態でした。

ですが、そのまま聞いていると徐々に音量が大きくなり、2~3分目程度で十分な音量が出るようになりました。

 

カセットデッキはかなり状態が悪いです。

Aデッキは異音(ガラガラ音)がして動作しません。そして、部品と思われるバネが飛び出してきています。カセットフタも斜めになっていて、セットはできますが開閉がぎこちないです。

Bデッキは動作はしますが、再生速度がかなり遅く音程が低くなっています。

 

分解して様子を見てみます

分解して手入れする必要がありそうです。そのままの状態で使えるとはそもそも思っていませんでしたが・・・。

ほこりが溜まっていて結構汚いです。

 

デッキ部分を取り出してみます

デッキ部分は、Aデッキ・Bデッキと共有して接続されている部分があるので、両デッキ一緒に取り出す必要があります。

 

Aデッキはベルトが硬化していました

カセットデッキ故障の定番症状「ベルトの劣化」によって動作しなかったようです。

ただ、溶けているわけではなく硬化している感じで、やたらツルツルして硬いです。

 

Bデッキの方のベルトの状態はAデッキほど悪くはありませんが、交換した方が良さそうです。

 

まずはベルトを交換

Aデッキの方から交換していきます

掃除機でほこりを取り除きつつ交換できるベルトを探してみます。

ベルトは、リール回転用とキャプスタン回転用と別々のベルトで駆動しているようです。

持っているベルトでは、キャプスタン回転用の方がサイズがピッタリではありませんでしたが、少し引っ張れば掛かるのでその状態で使ってみます。

このようにプーリーが3つあり、ベルトが2本掛かります。

ただ、オートリバースを搭載していることもあって、デッキの構造は少し複雑です。

何度か部品の配置を調整しながら戻しました。(写真の状態は正しい配置ではありません)

 

Bデッキの方も交換します

交換している様子を取り忘れたので、写真は使いまわしです。

実はBデッキの方が交換が面倒でした。

ベルトを取り出すためにスプリング押さえとモーターを外しますが、モータープーリーが隠れているような取り付け方向なので、ベルトを掛けるのには少し苦労しました。

ベルトサイズを合わせるために何度か掛けたり外したりしますが、その度にモーターを外す必要があり、結構面倒です。

 

何度か試行錯誤の上、仮組み完了

Aデッキの部品は重なり合っている部品が多く、それぞれの部品の角度も決まっていて、組み立てるのには苦労しました。

一度組み立て終わって動作させてみると、動作はしますがオートリバースが働かないことがありましたが、原因はプーリーの角度が合っていないということでした。

何度か角度を変えて、部品が一番すわりのいい場所を見つけて組み立てました。

 

とりあえず動作するようになりました

A/Bデッキ共にベルト交換により動作するようになりました。

ただ、再生速度が遅いので調整する必要もあります。

 

再生速度を調整

写真を撮り忘れたのですが、再生速度の調整用半固定抵抗はデッキ部の下にあります。

実は、本体の電池フタの中に穴が開いていて、デッキを取り付けた状態でもそこから半固定抵抗を調整できるような構造になっているのですが・・・

当初はそれに気づかず、デッキの隙間からドライバーを突っ込んで回すというかなり無理な方法で調整していました。

 

ベルト交換と速度調整でとりあえず使えるようになったようなので、しばらく使ってみることにします。