リペアときまぐれノート

主に家電製品、特にオーディオ関連の修理ブログです。時々、それ以外の記事も書いたりします。

ダブルラジカセ SONY CFS-W302の修理:その3

 

nabesun.hatenablog.jp

前回の修理からまたしばらく使ってみましたが、またまた問題が発生しました・・・

 

(Bデッキ)再生ボタンを押しても回転しない

使い始めた時点では無かった症状ですが、再生ボタンを押してもテープが回転しません。しかし、モーターが回っているような動作音はしますし、キャプスタンは回転しているようです。

 

再生ボタンを押す度に状態が多少変化します

何度か再生ボタンを押していると、左側リールが不安定に回っています。

停止して再生ボタンをもう一度押すとまた回らなくなりました。

その状態でメカをよく見てみると、左側リールを回しているアイドラーの回転も不安定になっていることがわかります。

写真で、左側リールにくっつくようにある白いローラーがアイドラーです。再生ボタンを押すとアイドラーが右に移動してリールを回す仕組みとなっています。

 

一時停止の動作不良?

一時停止ボタンを押すと、アイドラーがリールから離れる動作をしますので、これが中途半端な動作をしているのではないかと考えました。

とりあえず一時停止ボタンを何度か押してみます。強く押したりはじくように押したりしましたが・・・

それでも変化はないようです。

 

メカを取り出し、動きを観察してみます。

アイドラーがどういう時にどのような動きをするのか、もう少し詳しく観察してみます。

すると、ひとつ発見がありました。

これはメカの裏側です。中央の黒いローラーがフライホイールでして、キャプスタンにつながっています。その軸に小さいギア(ギアA)が付いており、その近くにそのギアと何らかのタイミングでつながるであろうギア(ギアB)が付いています。

初めに分解したときからこのギアの存在はわかっていましたが、これらがどのような役割を担っているのかはわからないでいました。

 

アイドラーの動きはこのギアで制御されている

メカをいじっていて気づいたのですが、再生ボタンを押した後、ギアBを写真で見て右へ動かすとアイドラーがリール側に移動します。

この状態であれば、リールは安定して回ります。

つまり、再生ボタンを押した後、ギアBが右へ動くようにすれば安定して動作してくれそうです。では、どうやってギアBを右へ動かすのか?

それは、ギアAとギアBがかみ合うことで右へ動かしているのです。

ギアBは偏心するように取り付けられていますので、ギアAとかみ合って回るにつれて右側へ移動する仕組みになっています。なかなか面白いですね。

 

ギアにクラックが・・・

動作の仕組みはわかりましたが、ギアAにクラックが発生しており、空転してしまう状況です。

ここはプラリペアで修復してみます。

1.クラックが発生しているギアAを外す

2.ギアAを付属の型材で型取りする

3.ギアAを取り出し、そこにプラリペアの粉と液体を混ぜたものを流し込む

4.固まったらできたギアを取り出し、中心にドリルで穴あけします。

ざっくり書くとこんな手順でギアが作れます。

ちょっと不格好ですが、こんな感じでギアができます。精度はかなり怪しいですが、右のギアを回すことができればいいだけなので、こんなもんでも大丈夫でしょう。

ついでにギアBも硬くて回らなかったので、回してほぐした上でグリスを流し込んであげたら、かなりスムーズに回るようになりました。

この状態で動作させてみると安定して動くようになりました。

このギアが回るときに「ギー」という音がしますが、直す前はしなかった音であったので、本来はこんな音がするのかと、新たな発見もありました。

 

なぜギアで制御する必要が?

しかし、どうしてギアでリールへの動力を制御する必要があるのでしょうか?この構造ですと、キャプスタンが回らないとアイドラーの位置がリールの少し手前になります。もう少し観察していると、ピンチローラーもキャプスタンに触れる少し手前で止まっていることに気づきます。これでわかりました。

おそらくタイマー機能が付いているから、このような構造になっていると思われます。

このラジカセはタイマーが付いているのですが、このラジカセのようなガチャメカでタイマー動作をするには、あらかじめ再生状態にしておく必要があります。

つまり、ヘッドやピンチローラーが下りた状態でタイマー時刻まで待機することになります。

この状態ですと、ピンチローラーやアイドラーが押し付けられたままとなり、最悪変形する恐れがあります。

これを回避するためにこのような構造となっているものと思われます。あくまで推察ではありますが。

 

面白いメカのラジカセ

このような制御方法はこの手のラジカセではよく見られたのかもしれませんが、私は初めて見たので、なかなか凝ったメカだなぁと思いました。

ガチャメカでタイマー対応というラジカセは今では無いのではないでしょうか?

 

メカを保護するためのメカといった感じで、興味深いですね~

ダブルラジカセ SONY CFS-W302の修理:その2

nabesun.hatenablog.jp

前回、カセットデッキのベルト交換とテープ速度調整を行い、とりあえず使える状態にできたのでしばらく使ってみました。

 

調子はまあまあ、けど問題点も・・・

しばらく使ってみましたが、動作しなくなるほどの不具合はなく、まあまあ使える状態でした。

ですが使っていていくつかの問題点も出てきました。

 

  • (Aデッキ)長時間再生していると再生速度が遅くなる

再生速度を正しく合わせたはずなのにしばらく再生していると遅くなっているように感じました。

再生速度を確認してみると、確かに遅くなっていました。

 

  • (Aデッキ)カセットフタが斜めなので取り出しの時に引っかかる

前回のブログでもカセットフタが斜めであることは書きましたが、斜めになっているせいで取り出すときにカセットが引っかかってしまい、指で引っ張り出してあげなければならない状態となっています。

 

  • (Bデッキ)しばらく使わなかった後、再生ボタンを押したときに固定されずに戻ってくる

時間をあけてから再生ボタンを押すと、動作はするのですがボタンが固定されずに戻ってきてしまいます。

何度か押し直すと固定されるようになり、以後はちゃんと固定されるようになります。

ただ、またしばらく使わないでいると同じ症状が発生します。

 

また分解して修理してみます

  • (Aデッキ)長時間再生していると再生速度が遅くなる

おそらく交換したベルトが合っていないと思われます。

前回の修理では、少しサイズが小さいベルトを引っ張って掛けたため、これが原因と思われます。

ただ、修理した段階ではピッタリ合うベルトが無かったため、またまた千石電商で合いそうなベルトを仕入れてみました。

しかし、なかなか合うベルトが無く・・・

仕入れたベルトは、一つは大きすぎ、もう一つは小さすぎる感じで、ピッタリとはいきませんでした。

ですが、大きすぎるベルトであればとりあえず駆動はできそうなテンションでしたので、これで使ってみることにします。

 

  • (Aデッキ)カセットフタが斜めなので取り出しの時に引っかかる

これはカセットフタの部品が折れているのが原因でした。

フタを支えているヒンジのような役割をする部品が片方折れており、これが原因で斜めになっているようです。

  • まずはエポキシパテで接着

これはダメダメでした。

取り付ける段階で外れてしまうような感じです。

 

いろいろ探してみると、「プラリペア」という接着剤がなかなか使えそうです。

プラリペアは粉と液体に分かれていて、半固体の状態にして接着部分に垂らします。

これを折れた部品を覆うように盛り、固まった後で余計な部分を削って仕上げます。

取り付けできないほどゴテ盛りにし過ぎたので、削るだけで苦労しましたが、かなり強固に接着できる感じです。

取り付けも問題なく、開閉がスムーズになりました。

 

  • (Bデッキ)しばらく使わなかった後、再生ボタンを押したときに固定されずに戻ってくる

これは再生ボタンを固定する部品が固着しているのが原因のようです。

その部品を特定するのに少し苦労しましたが、特定さえできればあとはグリスを給脂すれば直りました。

さらに、再生ボタンのフィーリングが渋いと思っていたのですが、グリスを給脂したことでこれも解決できました。

 

これでまたしばらく使ってみます

修理が完了したと思っても、使っていると問題が発生することは今までも経験があります。一度で完璧にはなかなかできないですね・・・。

 

まだまだ不安要素はありますが、しばらく使ってみることにします。

ダブルラジカセ SONY CFS-W302の修理:その1

友人から、少々調子の悪いソニーのダブルラジカセ「CFS-W302」を譲ってもらいました。

 

ラジカセの紹介

譲ってもらった当初の写真を撮り忘れておりまして、この写真はある程度手入れした後の写真になります。余計なものがいろいろと映っておりましてすいません。

ダブルカセットは、録再デッキ(A)と再生専用デッキ(B)となっており、留守録や再生に使えるタイマーも付いています。

ラジオはVHF/UHF音声も受信可能でした。アナログ放送が終了した現在では利用価値が無くなってしまいましたが。

あとはホコリや汚れが結構ついていました。

 

譲ってもらった直後の状態

とりあえず音は出ました。

ラジオを受信してみたのですが、初めはひどく音量が小さく、音量つまみを半分以上上げないと十分な音量が出ない状態でした。

ですが、そのまま聞いていると徐々に音量が大きくなり、2~3分目程度で十分な音量が出るようになりました。

 

カセットデッキはかなり状態が悪いです。

Aデッキは異音(ガラガラ音)がして動作しません。そして、部品と思われるバネが飛び出してきています。カセットフタも斜めになっていて、セットはできますが開閉がぎこちないです。

Bデッキは動作はしますが、再生速度がかなり遅く音程が低くなっています。

 

分解して様子を見てみます

分解して手入れする必要がありそうです。そのままの状態で使えるとはそもそも思っていませんでしたが・・・。

ほこりが溜まっていて結構汚いです。

 

デッキ部分を取り出してみます

デッキ部分は、Aデッキ・Bデッキと共有して接続されている部分があるので、両デッキ一緒に取り出す必要があります。

 

Aデッキはベルトが硬化していました

カセットデッキ故障の定番症状「ベルトの劣化」によって動作しなかったようです。

ただ、溶けているわけではなく硬化している感じで、やたらツルツルして硬いです。

 

Bデッキの方のベルトの状態はAデッキほど悪くはありませんが、交換した方が良さそうです。

 

まずはベルトを交換

Aデッキの方から交換していきます

掃除機でほこりを取り除きつつ交換できるベルトを探してみます。

ベルトは、リール回転用とキャプスタン回転用と別々のベルトで駆動しているようです。

持っているベルトでは、キャプスタン回転用の方がサイズがピッタリではありませんでしたが、少し引っ張れば掛かるのでその状態で使ってみます。

このようにプーリーが3つあり、ベルトが2本掛かります。

ただ、オートリバースを搭載していることもあって、デッキの構造は少し複雑です。

何度か部品の配置を調整しながら戻しました。(写真の状態は正しい配置ではありません)

 

Bデッキの方も交換します

交換している様子を取り忘れたので、写真は使いまわしです。

実はBデッキの方が交換が面倒でした。

ベルトを取り出すためにスプリング押さえとモーターを外しますが、モータープーリーが隠れているような取り付け方向なので、ベルトを掛けるのには少し苦労しました。

ベルトサイズを合わせるために何度か掛けたり外したりしますが、その度にモーターを外す必要があり、結構面倒です。

 

何度か試行錯誤の上、仮組み完了

Aデッキの部品は重なり合っている部品が多く、それぞれの部品の角度も決まっていて、組み立てるのには苦労しました。

一度組み立て終わって動作させてみると、動作はしますがオートリバースが働かないことがありましたが、原因はプーリーの角度が合っていないということでした。

何度か角度を変えて、部品が一番すわりのいい場所を見つけて組み立てました。

 

とりあえず動作するようになりました

A/Bデッキ共にベルト交換により動作するようになりました。

ただ、再生速度が遅いので調整する必要もあります。

 

再生速度を調整

写真を撮り忘れたのですが、再生速度の調整用半固定抵抗はデッキ部の下にあります。

実は、本体の電池フタの中に穴が開いていて、デッキを取り付けた状態でもそこから半固定抵抗を調整できるような構造になっているのですが・・・

当初はそれに気づかず、デッキの隙間からドライバーを突っ込んで回すというかなり無理な方法で調整していました。

 

ベルト交換と速度調整でとりあえず使えるようになったようなので、しばらく使ってみることにします。

ウォークマン NW-E026Fのバッテリー交換

ちょっと古いメモリータイプのスティック型ウォークマンを今でも使っているのですが、充電が終わらなくなる症状が発生したので、内臓のバッテリーを交換してみました。

 

今回バッテリー交換したウォークマン

2008年発売の「NW-E026F」という機種です。

USBメモリーのような形状をしていて、先端のキャップを外すとUSBコネクターが現れます。そのままパソコンのUSBポートに接続できるので、使い勝手もUSBメモリーのようです。

この機種の特徴として「着せ替えパネル」が採用されており、気分に合わせてフロントパネル(写真の黄色い部分)とUSBコネクターキャップを変えることができます。

容量によって型番が異なっており、

NW-E023F・・・1GB

NW-E025F・・・2GB

NW-E026F・・・4GB

となっています。「NW-E020Fシリーズ」と表記されることもあります。

型番が違っても、メモリー容量以外には違いはないと思いますので、同じ方法でバッテリー交換ができるかと思います。

 

本体を分解してバッテリーを取り出します

まずは本体からバッテリーを取り出します。

長さの異なるネジが各箇所に使われていますので、取り外したネジはどの箇所に取り付けられていたかわかるようにしておくと良いです。

  • 先にUSBコネクターのキャップを取り外し、着せ替えパネルも取り外します。その後、USBコネクター部分にあるネジを外し、覆っている部品を引き抜きます。

 

  • 次に、画面の脇にあるネジを外します。

 

  • この状態で、画面付近の上下のツメを慎重に外して、フロントパネルを外します。

今回は、ツメが劣化しておりほとんど留まっていない状態だったので、そのまま外れてしまいました。

 

  • 次に、イヤホンジャック付近の2つのネジを外します。



このネジを外すと、リアパネルから基板ブロックが分離できます。

 

  • 次に、基板ブロックを裏返して、周りに付いているメッキ部品を外します。

写真は少し外した状態です。

ストラップホールの部品で引っかけるように固定されているので、少し起こしながら外側に引き抜くように外します。

 

  • ディスプレイ部を持ち上げて、バッテリーを取り外します。

このとき、ディスプレイ部を起こし過ぎてフレキシブルケーブルを傷つけてしまわないように気を付けます。

フレキシブルケーブルを外しておけば、傷などを気にせず作業できると思いますが、テープで固定されていることもあり、元に戻すのが大変かと思ったので、今回は外さずに作業しています。

 

また、以前にも互換バッテリーへの交換を実施しているので、取り付けられているのは純正バッテリーではありません。

取り付けられている互換バッテリーですが、コードが純正バッテリーより長いので、取り付け方も純正バッテリーとは異なります。

 

白いコネクターを引き抜いて、バッテリーを取り出します。

以前同じ機種でバッテリー交換を行ったときに、基板側のコネクターまで剝がれてしまったことがあったので、無理に抜かないように気を付けた方が良さそうです。

 

取り出したバッテリーです。中の銀色の部分がバッテリー本体です。

バッテリーを覆っている黒い保護シートのようなものは、おそらくディスプレイの裏側を保護するための物と思われます。粘着テープで留まっているだけのようなので、慎重に剥がして取っておきます。(互換バッテリーにはこの部品は付いてきません)

 

交換するバッテリーを入手します

内臓バッテリーは、本来であればメーカーによる修理対応で交換されるものでありますので、互換バッテリーを探すことになります。純正バッテリーの入手はおそらく無理でしょう。

以前はネットオークションでも手に入ったのですが、今回は見つからなかったのでネット通販で購入しました。

価格は2800円でした。

ウォークマン本体が小型ですので、バッテリーもかなり小型です。
容量は3.7V 250mAhのようです。

 

こちらは、わかりづらい写真ですが純正のバッテリーです。(ややこしいですが、先ほど取り出したバッテリーとは異なります。)

「3.7V 170mAh」と表記されています。

容量以外には、リチウムイオン電池である表記や極性の印字など、互換バッテリーとの違いがいくつかありますね。

 

取り付け前に、互換バッテリーの形状や寸法、コネクターの形状が純正バッテリーと同じなのか確認しておいた方が良いです。

場合によっては、これらが一致せず取り付けができない場合もあります。

私も、以前注文した互換バッテリーのコネクターが純正のものとは異なったものが届いたことがあり、返品した経験があります。

他にも、バッテリーの寸法が異なったものが届いてしまい、取り付けできなかったという方もいるようです。

 

バッテリーを取り付けます

  • 今回のバッテリーには粘着テープが付いていました。

互換バッテリーの種類にもよりますが、今回購入したバッテリーには粘着テープが付いておりました。

これはおそらく、先ほど外した黒い保護シートを固定するためのものと思われます。

・・・よく見ると、はく離紙が黄色いテープの下敷きになってしまっていますね。こういうところを見ると、互換品だなぁと思えてしまいます。

はく離紙をはがして、黒い保護シートを貼り付けておきます。

 

  • バッテリーを取り付けます。

このように、ディスプレイの裏側にはめ込むよう入ります。

はめ込まれるだけで固定はされません。

この部分はディスプレイのすぐ裏なので、強い力を掛けないように気を付けます。

 

ネクターはこのように差し込み、コードは干渉しないように適宜位置を調整します。

本体を元に戻します

バッテリーを取り付けたら、本体を元に戻していきます。

基本的に分解したときと逆の手順となります。

  • ストラップホールなどのメッキ部品を取り付けます。



  • スイッチ部品を取り付け、リアパネルに基板ブロックをはめ込みます。

このとき、スイッチ類の位置がずれてはめ込まれないように注意します。

特に、HOLDスイッチは小さなスライドスイッチになっているので、位置がずれた状態ではめ込むと破損してしまう可能性があります。

 

スイッチ類が正しくはめ込まれていることを確認したら、イヤホンジャック脇のネジを取り付けます。

  • フロントパネルを取り付けます。

フロントパネルを取り付け、ネジを取り付けます。

 

その後、USBコネクター部分の部品を取り付けて、ネジも取り付けます。

あとは、着せ替えパネルを取り付け、USBキャップをはめれば終わりです。

ちなみに、今回交換したバッテリーは少し充電された状態でしたので、交換直後でもそのままウォークマンの電源を入れることができました。(残量は半分程度だったかと思います)

 

充電できるか確認します

USB端子に接続し、正しく充電できるか確認します。

仕様では約1時間で充電完了するようなので、時間内に充電完了し、過熱などの異常が発生しないか確認します。

充電完了すれば「Full」と表示されます。

 

 

2008年発売の機種ですが、この辺りの時期のウォークマンには、今回のようなスティック形状の機種がラインナップされておりました。

他にも、香水瓶のような上質なデザインの機種や、カラー有機ELディスプレイノイズキャンセリングが搭載された機種など、様々なスティック型のウォークマンが発売されておりました。

今では、高音質を重視した、比較的大型な機種のラインナップとなっており、スティック型はかなり前からラインナップされていないかと思います。

持ち運びに便利なので、個人的には気に入っている形状なのですが・・・。

AIWA HS-PX610の修理:その4

カセットプレーヤーは修理出来ましたが、リモコンが使えないのが心残りでした。

そこで、同じメーカーのカセットプレーヤー用リモコンを購入し、細工して使えるようにならないか試してみることにしました。

 

リモコンを探したが・・・

まずは、本来HS-PX610に付属していたリモコンを探してみましたが、見つけることはできませんでした。

この付属リモコンですが、リモコンとイヤホンがつながった物になっています。

つまり、イヤホン側が断線してしまうと使うことができなくなってしまいます。

あまり中古で流通していない要因のひとつなのかもしれません。

 

別のカセットプレーヤー用リモコンを購入

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HS-PX610用のリモコンではありませんが、同じAIWAのカセットプレーヤー用のリモコンです。

このリモコンは付属のリモコンイヤホンと違い、イヤホンジャックとなっているので、イヤホンを交換して使うことができます。

うまく使えるようにできれば、非常に重宝しそうです。

 

リモコンの動作原理

HS-PX610の場合は、どのボタンが押されているかを判断するために、ボタンを押したときに流れる電流で判別しているようです。

各ボタンに抵抗値が異なる抵抗を設けておき、そこから流れる電流の違いで押されているボタンを区別しています。

この方法は、本体のボタンでも同じです。

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これは本体のボタン部ですが、チップ抵抗が実装されており、それぞれ抵抗値が異なります。

抵抗が3個だけなのは、一つはショートで判断しているからのようです。

リモコンも同じ原理で動作していると、勝手に推測して進めます。

 

先ほどのリモコンの写真を見てみると、プラグが4極になっています。(通常は3極です)

追加されている1極が、リモコン用の端子であると予想すれば、先ほどの推測は当たっていそうです。

 

まずはつないで使ってみる

とりあえずつないでみます。

HS-PX610は、本体かリモコンのどちらかを選んで操作しますので、REMOTE-ONにスイッチを切り替えます。

ボタンを押すと、

REW・・・・REW

FF・・・・・REW

PLAY・・・・STOP

STOP・・・・STOP

PHRASE・・・STOP

となってしまい、ほとんど正しく機能しません。

ただ、ボタンを押せば動作はしますので、リモコンの動作原理の推測は当たっていたようです。

 

分解してみる

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2つのネジで留まっているだけかと思っていましたが、結構嵌合がきつくて分解には苦労しました。

どうしても外せないところがあり、そこは接着に近い状態で留まっていました。

 

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何とかはがし、基板が見えてきました。

やはり抵抗が付いており、抵抗値の違いで機能を区別しているとみて間違いないようです。

更に、プラグにつながる電線の接続部を見てみると、「G,L,C,R」と印字されており、

G・・・リモコン・イヤホン共通グランド

L・・・イヤホン左チャンネル

C・・・リモコン信号

R・・・イヤホン右チャンネル

となっているようです。

 

この「C」と「G」との間の抵抗値をうまく変えることができれば、HS-PX610でも使えそうです。

 

抵抗値を探し当てる

抵抗値を変えるといっても、いくつにすれば良いのかはほぼノーヒントです。

良い方法が思いつきませんでしたので、地道に抵抗値を変えながら、カットアンドトライしていきます。

私の手元に、抵抗や可変抵抗が数個ありましたので、これを直列につないだり取ったりして探っていきます。

HS-PX610では4つのキーがありますので、4個分これを行っていきます。

 

うまくいくのかかなり疑問でしたが、結果的には4つのキー全ての抵抗値が判明しました。

 

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これが細工した結果です。

見せられないほど汚いですが・・・でも機能はちゃんとします。

廃基板から外したチップ抵抗や、たまたま持っていた抵抗などを組み合わせました。

裏蓋もちゃんと元に戻せました。

 

リモコンは便利

上の写真のような完成度なので、最初は使えてもそのうち動かなくなるだろうと思っていたのですが、とりあえずしばらく使っても問題なさそうです。

使ってみると、やはりリモコンは便利ですね。

ケーブル長が十分あるので、例えばプレーヤーをポケットに入れておき、手元で操作ということもできそうです。

リモコン側にも音量ダイヤルがありますが、これはプレーヤー側の音量からさらに下げるように機能するもので、一時的に音量を下げたときなどに使えそうです。

 

さらに便利に使えるようになりました。

 

 

その後、冷え込みが厳しい季節に使っていて気づいたのですが、本体が冷たい時に再生すると「キーーン」という大きな高い音がイヤホンから流れてきてしまいます。

本体を暖めてあげると収まるようですが、もしイヤホンをしている時に流れてしまうと耳を痛めてしまいそうな音量なので、このプレーヤーはあまり使わなくなっています。

暖かい季節になれば気にならなくなると思いますが、原因がわからないので少し気分が悪いですね・・・。