AIWA HS-PX610の修理:その4

カセットプレーヤーは修理出来ましたが、リモコンが使えないのが心残りでした。

そこで、同じメーカーのカセットプレーヤー用リモコンを購入し、細工して使えるようにならないか試してみることにしました。

 

リモコンを探したが・・・

まずは、本来HS-PX610に付属していたリモコンを探してみましたが、見つけることはできませんでした。

この付属リモコンですが、リモコンとイヤホンがつながった物になっています。

つまり、イヤホン側が断線してしまうと使うことができなくなってしまいます。

あまり中古で流通していない要因のひとつなのかもしれません。

 

別のカセットプレーヤー用リモコンを購入

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HS-PX610用のリモコンではありませんが、同じAIWAのカセットプレーヤー用のリモコンです。

このリモコンは付属のリモコンイヤホンと違い、イヤホンジャックとなっているので、イヤホンを交換して使うことができます。

うまく使えるようにできれば、非常に重宝しそうです。

 

リモコンの動作原理

HS-PX610の場合は、どのボタンが押されているかを判断するために、ボタンを押したときに流れる電流で判別しているようです。

各ボタンに抵抗値が異なる抵抗を設けておき、そこから流れる電流の違いで押されているボタンを区別しています。

この方法は、本体のボタンでも同じです。

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これは本体のボタン部ですが、チップ抵抗が実装されており、それぞれ抵抗値が異なります。

抵抗が3個だけなのは、一つはショートで判断しているからのようです。

リモコンも同じ原理で動作していると、勝手に推測して進めます。

 

先ほどのリモコンの写真を見てみると、プラグが4極になっています。(通常は3極です)

追加されている1極が、リモコン用の端子であると予想すれば、先ほどの推測は当たっていそうです。

 

まずはつないで使ってみる

とりあえずつないでみます。

HS-PX610は、本体かリモコンのどちらかを選んで操作しますので、REMOTE-ONにスイッチを切り替えます。

ボタンを押すと、

REW・・・・REW

FF・・・・・REW

PLAY・・・・STOP

STOP・・・・STOP

PHRASE・・・STOP

となってしまい、ほとんど正しく機能しません。

ただ、ボタンを押せば動作はしますので、リモコンの動作原理の推測は当たっていたようです。

 

分解してみる

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2つのネジで留まっているだけかと思っていましたが、結構嵌合がきつくて分解には苦労しました。

どうしても外せないところがあり、そこは接着に近い状態で留まっていました。

 

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何とかはがし、基板が見えてきました。

やはり抵抗が付いており、抵抗値の違いで機能を区別しているとみて間違いないようです。

更に、プラグにつながる電線の接続部を見てみると、「G,L,C,R」と印字されており、

G・・・リモコン・イヤホン共通グランド

L・・・イヤホン左チャンネル

C・・・リモコン信号

R・・・イヤホン右チャンネル

となっているようです。

 

この「C」と「G」との間の抵抗値をうまく変えることができれば、HS-PX610でも使えそうです。

 

抵抗値を探し当てる

抵抗値を変えるといっても、いくつにすれば良いのかはほぼノーヒントです。

良い方法が思いつきませんでしたので、地道に抵抗値を変えながら、カットアンドトライしていきます。

私の手元に、抵抗や可変抵抗が数個ありましたので、これを直列につないだり取ったりして探っていきます。

HS-PX610では4つのキーがありますので、4個分これを行っていきます。

 

うまくいくのかかなり疑問でしたが、結果的には4つのキー全ての抵抗値が判明しました。

 

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これが細工した結果です。

見せられないほど汚いですが・・・でも機能はちゃんとします。

廃基板から外したチップ抵抗や、たまたま持っていた抵抗などを組み合わせました。

裏蓋もちゃんと元に戻せました。

 

リモコンは便利

上の写真のような完成度なので、最初は使えてもそのうち動かなくなるだろうと思っていたのですが、とりあえずしばらく使っても問題なさそうです。

使ってみると、やはりリモコンは便利ですね。

ケーブル長が十分あるので、例えばプレーヤーをポケットに入れておき、手元で操作ということもできそうです。

リモコン側にも音量ダイヤルがありますが、これはプレーヤー側の音量からさらに下げるように機能するもので、一時的に音量を下げたときなどに使えそうです。

 

さらに便利に使えるようになりました。

 

 

その後、冷え込みが厳しい季節に使っていて気づいたのですが、本体が冷たい時に再生すると「キーーン」という大きな高い音がイヤホンから流れてきてしまいます。

本体を暖めてあげると収まるようですが、もしイヤホンをしている時に流れてしまうと耳を痛めてしまいそうな音量なので、このプレーヤーはあまり使わなくなっています。

暖かい季節になれば気にならなくなると思いますが、原因がわからないので少し気分が悪いですね・・・。