前回のブログでは、カセットプレーヤーの購入と一部修理・調整を紹介しました。
比較的状態は良く大きな不具合は無さそうでしたが、しばらく使っていると大きくはありませんがいくつかの不具合が見つかりました。
反対側の面の音が少し聞こえる
おもて面再生時、テープの終わりなどで無音部分になった時に気づいたのですが、うら面の音声が小さく逆再生されて聞こえてきています。
ヘッド高さがズレている?
原因として考えるのがヘッド位置のズレです。
ヘッドがうら面側にズレていることで、本来であれば触れなくてもよいうら面側の記録音声を拾ってしまっているようです。
これは、過去記事に書いたように、アジマスが狂っていることでうら面側にヘッドが当たっている可能性か、ヘッドの高さそのものがズレている可能性が考えられます。
見づらいですが、ヘッド位置を調整するネジ部分が写っています。
ネジを見るとネジロックが付いていて、調整の上、固定されていることがわかります。
この状態で大きくズレることはあまり考えられないと思われるので、初めからズレていた可能性もあり得ると思います。
ヘッド位置を調整してみる
合わせることが出来るか不安はありますが、ヘッド位置の調整を試してみます。
ヘッド高さ、アジマスの両方を同時に合わせる
初めはヘッド高さとアジマスを片方ずつ調整をしてみました。
過去記事に書いたような方法でアジマスを調整しておりましたが、なかなかうまく合わせることが出来ません。
そもそも、再生音や回転安定性がそれほど良いものではありませんので、測定してもうまく合わせることが出来ません。
アジマスを大体合わせて、その後均等に調整ネジを回しておもて面だけにヘッドが当たるように・・・と、やってみますがなかなかうまくいきません。
調整ネジは緩める側に回すと塩梅が良いのですが、良いところを探していくうちに緩め過ぎて調整できなくなってしまいます。
最終的には下記の方法で調整しました。
- 調整ネジを締め切ります。
- うら面だけ音が入っている部分をおもて面の状態で再生し、音が聞こえなくなるまで調整ネジを2個共均等に少しずつ緩めていきます。
- 大体良い位置に合わせたら、ミュージックテープ再生音の再現性を、自分の聴感を頼りにしながらアジマスを微調整します。
一方の調整ネジだけ緩めすぎてしまわないように、2つの調整ネジをうまく締めたり緩めたりします。 - オートリバース機ですので、おもて面とうら面でアジマスが大きく異なることがないことにも気を付けます。
この時、同じ音源で調整できるように、テープを裏返しながら調整します。
こんな方法を何度も繰り返すうちに、なんとか妥協できるくらいまで調整することが出来ました。
また、このプレーヤーはシャーシのほどんどがプラスチック製ですので、ボタンの押し加減やボディーを曲げたりすると、簡単にアジマスがズレてしまいます。
なので、ボディーは寝かせた状態で、なるべく不必要な力がかからないようにします。
無音時にノイズが聞こえる
テープを入れずに再生ボタンを押したり、無音部分を再生したりした時に、「ブーーー」というノイズが聞こえます。
音楽を再生しているときにはほとんど気になりませんが、テープの初めや終わりでは少し気になります。
電解コンデンサーを交換すると良いらしい?
インターネットの情報ではありますが、廉価なプレーヤーでは使用されている電子部品も安価なものを使っているため、音質やノイズ除去性が良くないとのこと。
このプレーヤーでは2種類4個の電解コンデンサーが実装されております。
ネットを探してみると、形状は異なりますが、同じ容量の物で基板に収まりそうなもの手に入りそうです。
今回は、同じ容量でオーディオ向けの物がありましたので、それを実装してみます。
交換後の部品の収まりは良かったが、効果なし
片面基板だったので、部品の交換は比較的簡単でした。
その上、電解コンデンサーの形状が変わっても収まりはよく、元に戻すのも問題ありませんでした。
肝心の再生音ですが、特に大きな変化はありませんでした。
ノイズは聞こえますし、再生音質も特に変改内容に思います。
どうやら、電解コンデンサーを交換しただけでは効果はなかったようです。
ただ、悪化した部分もありませんでしたので、このまま使うことにしました。
メンテナンスを経て、それなりに仕上がりました
特筆する部分も特にないカセットプレーヤーではありますが、音質が悪いということもなく、オートリバース搭載も相まって使いやすいプレーヤーです。
ただ、個人的にはカセット窓は欲しかったですね~
窓がなければスタイリッシュに見えるという利点はありますが。
とはいえ使いやすいプレーヤーですので、今でもよく使っています。
あまり余計な機能もなくメンテナンスも最小限でしたので、気兼ねなく使えています。