AIWA HS-PX610は、以前に修理して使える状態ではありましたが寒いときに大音量の高音ノイズが乗ることや、巻き戻しができないカセットテープが多くなってきていました。しばらくはそのままにしていましたが、原因を探るために再び分解してみることにします。
巻き戻し不良の原因は分かるが・・・
巻き戻しできない原因として、取り付けたベルトが細すぎると思われます。
以前の修理では、部品との干渉を危惧して細めのベルトを取り付けておりました。細いベルトにしていることで、モータートルクの伝達が不完全となっているものと思われます。
しかし、高音ノイズの原因はわかりません。
室温10℃程度の場所にしばらく置いたままにして本体が冷えてくると「キーーン」というかなり大きな音の高音ノイズが聞こえます。このことを忘れてイヤホンをつけてしまうと、そのうち聴覚障害になってしまいそうな感じです。
本体が冷えるとノイズがしますが、温めてあげると自然とノイズが聞こえなくなります。ただ、ノイズが消えてもテープの音質がハイ上がりしたようになり、あまり気着心地の良い音ではないですね。
まずはベルトの交換
とりあえずベルトだけでも交換して、巻き戻し不良だけでも解決してみようと思います。
このカセットプレーヤーに限らず、薄い構造のカセットプレーヤーでははんだを外して基板をはがす必要があります。
もう何回もはんだをはがしたので、そろそろランドがはがれてしまいそうな感じですが、なんとか無事にはがせました。
ソレノイドのコイルが再び切れてしまう
ただ、1回目の分解の時にソレノイドのコイルをはんだでつないだところが外れてしまいました。
分解する時にはんだを外し忘れて引っ張ってしまったことが原因ですが、コイル同士を強引にはんだ付けした部分が、はんだを外すときの熱が伝わって外れてしまいました。
再びはんだで取り付けようと何度か試しましたが、つないだ部分が切れてしまいました。
ちょっと心が折れそうになる状況でありましたが、巻いてあるコイルをほどいて引き出せないかピンセットでほじくってみます。・・・ここまで来るとやっつけ仕事ですね。
そんなことをしていると、なんとか1本引き出すことが出来ました。
これを、ソレノイドの電極に巻き付けてはんだを流します。
電極が刺さっていた部分も繰り返し熱が加えられたことで溶けてしまっています。
こんなんでうまくいくのかと自分でも半信半疑でしたが、はんだ付けしてテスターでソレノイドの両端の抵抗を測定すると、導通はしているようです。動作できるかはまだわかりませんが・・・。
少し太いベルトに交換
前回の修理では太さ0.5mmのベルトを取り付けましたが、前回に部品との干渉が危惧された太さ0.7mmのベルトに掛け替えます。
前回の修理で、0.5mmと0.7mmで音揺れの変化はほぼ無かったようなので、0.7mmに戻しても問題なしと考えます。
高音ノイズの原因は?・・・
これはしばらく悩んでみてもよくわかりません。
無い知恵を絞っても何も思いつかないので、今までの経験から考えてみますと・・・
以前「ブーーー」というノイズがして再生音聞こえないカセットプレーヤーを修理しましたが、これは電解コンデンサーを全て交換したことで解決しました。
このカセットプレーヤーにも電解コンデンサーが数個使われておりますので、これらを交換してみます。
もとは銀色のアルミ電解コンデンサーが実装されていましたが、手持ちの電解コンデンサーで容量も同じと思われ、なおかつ背の低いコンデンサーがありましたので、これに変えてみます。
厚みが増して元に戻せない・・・
電解コンデンサーは背の低い形状の物でしたが、もともと付いていたコンデンサーよりも背が高かったようで、少し浮いてしまいます。
薄さを求めるために、ほんとにギリギリの設計になっているようですね・・・
干渉する部品を削ったりしましたが、やはり少し厚くなってしまいました。
無理やりねじ込んで何とか元通りの形になりました。
(少し隙間が空いている部分が出来てしまいましたが・・・)
巻き戻しはOK。高音ノイズは相変わらず・・・
巻き戻し不良は見込み通り直りました。
やはり太いベルトの方がトルク伝達が安定するようです。
あと、直ったのか疑問だったソレノイドもちゃんと動作してくれました。
しかし、冷えた部屋に放置していると「キーーン」というノイズが聞こえてきました。
どうやら電解コンデンサーが原因ではなかったようです。
・・・やったことが無駄になった気がしてならないですが、そんなことを気にしていては先へは進めません。
・・・と、自分に言い聞かせておきます。
これを修理したのが、これから寒くなる時期であったので、
ちょっと使うことが減ってしまいそうな状態ですね・・・。う~ん・・・。