Pioneer PROJECT G5 コンポーネントシステムの修理:その1

とある方から、ほとんど不動状態のパイオニアコンポーネントシステム「PROJECT G5」を譲っていただきました。
1981年頃のモデルのようです。

 

状態の確認

内容は、
アンプ・チューナー・カセットデッキターンテーブル・キャビネットの5点です。

譲っていただくときに状態を確認しましたが、
チューナー・アンプは音出しOK、それ以外は不動状態でした。
カセットデッキターンテーブルは、電源は入りますが動作しません。

40年くらい前のなかなか年期の入ったコンポーネントシステムですが、キャビネットに入れて大切に使われていたようで外観はきれいです。

キャビネットの棚はこのモデル専用設計になっており、ゴム足がぴったりはまるようになっています。ぜひとも直して使ってみたいものです。

が、正直直せる気はしません・・・。

ターンテーブルはモーターは回るものの異音がしますし、カセットデッキはモーターすら回っていないようです。(メカのソレノイドは動くようです。)

 

ターンテーブルの修理

ちょっと尻込みしましたが、ターンテーブル(型番:PL-5100MC)の様子を細かく見てみます。

すると、このプレーヤーはダイレクト・ドライブではなくベルト・ドライブだったようです。(作られた年代的にダイレクト・ドライブだとばかり思っておりました。)

つまり、動作しない原因は単なるベルト切れだったということです。

ベルトを交換

純正ベルトは手に入らないようなので、ターンテーブルの円周長さから互換ベルトを探してみます。

昨今のレコードブームの再燃からか、ターンテーブル用のベルトは比較的入手しやすくなっていると思います。

今回購入したのは600mmのものです。

一応1サイズ上のベルトも買ってみましたが、明らかに大きすぎるのでこのサイズで良さそうです。

モーターは動作する状態だったので、ベルトを交換するとターンテーブルが回り始めました。

異音の原因も長期間動作していなかったことのようですが、スピンドル部にミシンオイルをごく少量注油してあげると劇的に改善しました。
回転数が不安定になることもあったのですが、これも注油で改善しました。

早速レコードを再生・・・

レコード針が消耗していることは想定していましたが、案の定そのようでした。
レコード盤に針を載せてもうまくトレースされず内周側にスーーっと流れて行ってしまいます。わずかですが、レコード盤に傷がついてしまいました・・・。

針を見てみても、現在入手可能なのか判断できません。品番も定かではないので、持ち合わせているカートリッジに変えてみることにしました。

その結果、問題なく再生することができました。

 

MM、MCカートリッジ

レコード針のカートリッジには主にMCとMMに分かれるようですが、カートリッジもフォノイコライザーも異なります。つまり相互に互換性は無いものと認識しておりました。

実は、もともと付いていたカートリッジはMCだったようで、持ち合わせていたカートリッジはMMでした。

これはよくわからないのですが、何も問題なく再生できます。もしかしたら、MC→MMは適応可能で、その逆はダメとか、そういうものかもしれないです。私が勝手に言ってる憶測に過ぎませんが・・・。

 

ターンテーブルはひとまず修理完了

修理と呼べるものはしていませんが(ベルト掛け替え・注油・針交換だけ実施)、とりあえずレコードが聞けるようになりました。

機能面では、一般的なフルオートターンテーブルといったところだと思います。
ストロボスコープも内蔵しており、回転数の校正も可能です。
この回転数ボリュームにガリがありますが、使う分には大きな影響はないのでそのままにしました。

音質面では、ちょっと高音が強い気もしますが、割ときれいに再生されているのではないでしょうか。とはいえ、私もターンテーブルの音質について詳しくはありませんが・・・。

 

ターンテーブルについてはこれで使ってみることにします。