AIWA HS-P15:ジャンクから購入

ジャンクコーナーから、AIWAのカセットプレーヤー「HS-P15」を買ってきました。

「テープ回りますが、音が出ません」という症状で、テープを入れて聞いてみると確かに「ブーーー」というノイズばかり聞こえて、テープの音が聞こえません。

しかし、音量を上げてみると、ノイズに紛れてテープの音がかすかに聞こえます。

 

早速分解してみることにします。

 

外観とプレーヤー概要

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分解する前の外観を撮っていなかったので、フロントボディーの写真を載せておきます。
旧ロゴの「AIWA」ですね。

情報がほどんど無いので不明な点は多いですが、至ってシンプルなカセットテーププレーヤーのようです。

重低音強化機能とテープセレクターを備えている以外は、特筆すべき点は無いようです。

 

バックパネルを外しました

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中身も結構シンプルです。

なぜか水滴が付いていたのですが、いつ付いたのでしょうか。

3か所からリード線が出ていますが、「再生ヘッド」「モーター」「スイッチ」から出てきています。

まずは、「再生ヘッド」「モーター」のリード線を取り外し、「ブーーーー」という音が止まるか見てみます。

 

モーターをつなぐとノイズが出る

リード線を外してスイッチを入れてみると、ノイズが出なくなりました。

音量を上げてみてもホワイトノイズだけ大きくなり、「ブーーーー」というノイズは一切聞こえません。

ここで、再びモーターをつないでみますと、ノイズが出てしまいます。

モーターが原因だと思い、似たようなモーターをつないでみたのですが、結果は変わらず。

モーターそのものが原因ではなかったようです。

 

原因がよくわからないので、ここまで

これ以上はよくわからないので、ここでやめることにしました。

安価なプレーヤーだったようですし。

それと、このプレーヤーは早送りと巻戻しで巻き上げ速度が違います。

早送りの速度は、再生時の巻き上げ速度と同じになっており、かなり遅いです。

メカを見てみると、早送り用のギアが省かれているようです。

おそらくコストを上げずに小型化するためだと思われますが、実際に使うとしたらかなり不便ですね。

 

実は、このプレーヤーを買った理由はもうひとつあるのですが、それは後日書くことにします。

 

22/9/18追記

あの後、色々と調べてみると、音が鳴らない原因は電解コンデンサであるということがわかってきました。

分解したときに基板が濡れていましたが、これはコンデンサーから漏れた電解液であると思われます。

他の修理でコンデンサーを買う用事があったので、このプレーヤーに使われているコンデンサーも購入し、交換してみることにしました。

 

約1年ぶりに基板を引っ張り出す

上に書いてあるように、一度修理を諦めている上にバラバラに分解した状態で保管してあったので、部品が全て揃うのか不安でしたが、とりあえず大丈夫そうです。

 

この基板上の電解コンデンサーを交換します。

良否判定したうえで交換した方が無駄がなくていいですが、確認も面倒なので全て交換します。

これも後で気づいたのですが、電解コンデンサーから漏れ出た電解液により、基板の一部が腐食気味になっていました。

幸いパターンは生きているようでしたので、ジャンパー等はせずにそのままはんだ付けしていきます。

 

背が低い電解コンデンサーが実装されている

一般的なサイズの電解コンデンサーは、長さがもう少し長いものになりますが、このプレーヤーに実装されている電解コンデンサーはどれも高さが5mm程度の低いものになります。

今回は通販で交換する電解コンデンサーを注文しましたが、注文する際にサイズをよく確認した方が良さそうです。

今回修理するようなポータブル機器の場合、スペースにあまり余裕がないので、実装しても基板が取り付けられない事態も考えられますね。

 

ノイズはあっさり消え、問題無く再生可能に

電解コンデンサーを交換しただけで「ブーーーー」というノイズは消え、問題無く再生できるようになりました。

1年近く放ったらかしでしたが、動作は良好で音質もそこまで悪くありません。

以前修理したPanasonicのプレーヤーと比べると、高音は少しだけ控えめですがそこまで籠った感じはありません。

 

メタル・ハイポジにも対応しているところもポイントですし、低音強調機能も籠りを抑えて低音を持ち上げる感じで、なかなか使えます。

 

これで早送りが普通ならかなり良いのですが、そこが惜しいところですね・・・。