Pioneer T-WD5R 購入

リサイクルショップにて、パイオニアカセットデッキ「T-WD5R」を見つけてきました。事前の情報ではなかなか良さそうなデッキです。店頭では少々難ありな状態でしたが、格安でしたので購入して使ってみることにします。

 

購入時の状態

大きな傷は無く、画面やテープ窓もきれいな状態で、外観はなかなか良さそうな感じです。

ただ、店頭で動作確認した段階では、DECK 2(右側)のカセットホルダーが開かない状態でした。(ボタンを押すと「OPEN」と表示されるが、何も動作しない)

DECK 1に関しては、正逆再生・早送り早戻し共に問題なく動作できるようです。

あと、リモコンも無いですね。

それがゆえに「ジャンク品」として格安で販売されていたのでしょう。

 

まずDECK 2を動かせるようにしてみる

購入して早々分解して中の様子を見てみます。

カセットホルダーはモーターでギアを回すことによって開閉しているようです。
この状態でDECK 2を開く操作をしても何も動きませんでしたが、「OPEN」の表示が出ている状態で手でギアを少し回してあげたらモーターが動き出し、その後は問題無く動くようになりました。

その後も症状は出ず、問題無く使えています。

この開閉ギアの部分にはリミットスイッチが付いていますが、CDプレーヤー等のディスクトレイのリミットスイッチとしても使われているようなものです。(界隈では悪名高いらしいです)
おそらくリミットスイッチの接触不良か何かなのでしょう。

 

早速カセットを入れて動作確認してみますと、DECK 2も問題なく動作しました。つまりほぼ動作品となったわけで、なかなかにラッキーな買い物ができたと、ちょっと嬉しい気持ちになれました。

 

いろいろ使ってみます

DECK 1 2共に動作したことが分かったところで、早速いろいろと使ってみることにします。

再生音をチェック

これは予想以上にいい音でびっくりしました。下にちらっと写り込んでいる「TEAC Z-5000」と比較しますとさすがにこれには及びませんが、このクラスのカセットデッキとしては良い音質なのではないでしょうか。
高音補完機能の「FLEX」機能に関しては特筆すべきものがあります。デジタル処理により、失われた高音を補完する機能のようですが、古いカセットテープではこの効果をかなり感じます。
ただ、不自然に補完されてしまうこともありますので、好みによって使い分けると良さそうですね。

また、デジタルNRという機能が付いており、これはヒスノイズを低減させる機能のようです。
聞いてみるとその効果はかなり大きく思え、ドルビーNRのないテープでもクリアな音質で聞くことができます。FLEXとも相まって、再生音はかなりクリアに聞こえます。

メカをチェック

思ったよりいい音に感じる理由には、メカは大したことないからかもしれません。

こうしてみてみると、一般的なミニコンポに搭載されるような割とチープなメカとなっており、動作音も「ガチャガチャ」とやかましい部類に入る物と思います。
(個人的には派手な音がするメカも嫌いではありませんが・・・)

メカはチープですが、それゆえに音質の良さが際立つようにも思えます。

録音をチェック

とりあえず録音はできていそうですが、ちょっとこもった音になるのが気になります。
低・中音は問題ないようですが、高音部の録音が今一つといった感じです。

このカセットデッキには、「XD FLAT」というテープの特性に合わせて録音できる機能が付いています。
録音時のキャリブレーションを自動的に行うものですが、これの効果もあまり感じられないように思います。

まあ、録音は「TEAC Z-5000」に任せて、こちらは再生専用機として使うことにしてしまえば、この問題は解決したも同然と考えられます。そういうことにしておきます。

XDFLAT機能について

さっきちょっと触れましたが、このデッキには「XD FLAT」という自動キャリブレーション機能が付いています。

キャリブレーションを行うことでより忠実な録音ができるようになります。テープによって特性も様々ですので、この機能は非常に重要となりますが、このデッキでは性質上からかその動作を自動で行ってくれます。

3ヘッドデッキ(消去ヘッド・録音ヘッド・再生ヘッドが全て独立しているデッキ)では、信号音を録音しながら再生することでキャリブレーションを行いますが、このデッキは2ヘッドデッキ(消去ヘッドだけ独立し、再生・録音ヘッドは兼用しているデッキ)なので、録音しながら再生はできません。
そこで、このデッキでは「信号音を録音→巻き戻し→信号音を再生」という動作を自動的に行うことでキャリブレーションを可能にしています。動作の流れ的に自動キャリブレーションとなりますね。

 

とはいえ、この機能を使ったとしてもどうもこもった音で録音されてしまうようです。
ひとまず再生機ということにして、しばらく使ってみることにします。